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色彩鮮やかなローズマリング(Rosemaling)は、17世紀に発生し、農民のクラフトとして18〜19世紀にかけて発達したノルウェーの伝統的なフォークアートです。

「ローズ」は、スクロール・アカンサス(葉アザミ)の葉・花などを指し、「マリング」は絵付けを意味します。

起こりと地域差

ローズマリングは初めは教会に描かれていましたが、次第に家具や調度品などに描かれるようになりました。

ヨーロッパの装飾文化であるルネッサンス、バロック、ロココの影響を受けながらも、山や渓谷などに囲まれた厳しい自然環境にあるため、地方同士の交流が難しく、地方ごとに独自のスタイルが生まれました。

このスタイルは10種類以上にものぼり、それぞれ地方の名前がスタイル名となっています。スタイルが異なっていても、主体となるのはアカンサスの葉飾りです。おおらかな葉の模様が、デザイン化された花々と連鎖するように、丸筆を用いた濃淡のグラデーションのストロークで描いていきます。

ローズマリングは、1850年頃から産業革命による工業化の影響を受け、次第に衰退していきました。しかし19世紀、アメリカに渡ったノルウェー移民たちによって復活、アメリカ中西部を中心に広がっていきました。

ヴェスタハイム・ノルウェージャンアメリカン・ミュージアム

アイオワ州デコラにあるヴェスタハイム(ノルウェー語で「ウェスタン・ホーム」)・ノルウェージャンアメリカン・ミュージアムは、1877年にノルウェー系アメリカン歴史博物館として設立され、後にヴェスタハイムが加わりました。

現在ではノルウェー移民の文化継承の地となっています。

ローズマリングのコレクションは世界有数を誇ると言われ、大変充実した博物館です。

毎年7月に行われる「ノルディック・フェスト」ではローズマリングの全米コンテストを行っており、オイルで描くローズマラー達に加え、アクリルで描くジョー・ソニア先生やゲイル・オーラム先生もゴールドメダリスト(VGM)に輝きました。

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