おかげさまで銀座ソレイユは創立40周年を迎えることができました。
トールペイントと歩んできた40年を菊池直也 代表取締役が振り返ります。
創業から5年後の再スタートと創業者の想い
「身の回りの品に自分で美しい絵を描いてそれを使う。そのような生活は豊かで幅が広い。自然破壊が言われる中で、今、人は精神的な満足感を求めているんです。また、トールペイントは基本の筆使いさえマスターすれば誰にでもできる。絵は難しくて自分には描けない、と思っていた人でも描ける。その感動もあります」
これは、23年前の1996年2月27日号の「財界」という経済誌から弊社創業者が取材を受けたときの言葉です。
弊社の創業は1979年ですが、トールペイントを始めたのは創業から5年後の1984年7月でした。それまで行っていた事業を全て取引先へ譲渡し、トールペイントのみでスタートを切ったのです。
創業から5年、ようやく順調になってきた事業を他社へ譲渡し、日本ではまだ認知もされていなかったトールペイントだけに舵を取った時は、相当の勇気と覚悟があったのだろうと思います。(2代目の私には、その決断が出来たかどうか分かりません…)
当時トールペイントの本場アメリカでは、すでにキルトに次ぐ大人気のホビークラフトではありました。
トールペイントブームの到来
それから12年後の1996年頃、ようやく日本のホビー業界でもトールペイントが注目され、大変なブームになり始めました。多くの会社がトールペイントの商材を販売し始めた頃です。
当時、弊社は毎日21時まで出荷作業をするほど多忙でした。家に帰れば23時、それから夜中に晩ご飯を食べるという日常だったのを思い出します。
それからもトールペイントブームは続きましたが、2001年に起きたニューヨークのテロ、その後2008年にリーマンショックが起こり、世界経済に多くのダメージを与えることになりました。日本企業も業績低下を免れない状況下の中で2011年東日本大震災が起き、トールペイント業界も打撃を受けることになりました。 残念ながら多くのトールペイントの商材を扱っていた会社も減り始めたときだったと思います。
トールペイントを一時の流行で終わらせない
もう一つ、1996年に「財界」に取材を受けたときの創業者の言葉です。
「私共は一時の流行を追っているのではありません。トールペイントを真剣にやれば伝統にもなるような技術を身につけられる。そのように考えています」
仕事というものはいつの時代も当然そうだと思いますが、景気に左右されたりして良いときもあれば悪いときもあります。
弊社は、1984年にトールペイントを事業としたときから、ずっとトールペイントが流行だからと言って取り組んできたわけではなく、創業者の言葉どおり、いつの時代もトールペイントを通じてお客さまや自分たちがhappyになれると良いな、と思い仕事を続けています。
実は、この思いが弊社の社名にもなっているんです。
サン-ケイ=“三恵”
お客さま、仕入先、私たちの三者がともに恵まれるように
トールペイントが生活文化として根付いていくように
トールペイントは、そもそも欧米の伝統工芸で、身の回りに美しく描かれたものに囲まれた貴族の生活に憧れた庶民が、自ら身の回りのものに絵付けをして生活やこころを豊かにしていきたいというところから始まったフォークアートでもあります。
ですから、私たちの仕事は決してブームに流されることなく、日本においても生活文化(暮らしのアート)として根付くことを願っているんです。
まだトールペイントをご存じのない方ややったことのない方も多くいらっしゃるので、まだまだ私たちの願いは叶っていませんが、これから先もトールペイントに対する想いや“愛“は、世界中のどの会社よりも勝っていると自負しています。
この想いをスタッフ一同が胸に秘め、これからもお客さまと仕入先の皆さまと共にhappy lifeを過ごせるようトールペイントの普及に努めて参ります。
いつもいつも…これからもこころあたたかいお付き合いをよろしくお願いいたします。
株式会社サン-ケイ 代表取締役 菊池直也