1996年より始まった「トールペインティングコンテスト」も、今回で20回目を迎えました。全国のトールペインターの皆様からご応募いただきました作品写真を審査し、通過した合格作品157点を一堂に展示いたしました。
またその中から、以下のようにソレイユ大賞を含む15の賞が決定いたしました。
本記事では受賞者の皆様より、作品に込められた願い、創作秘話などについてお聞きしました。
グランプリ
Blue symphony ~共にあるブルー~
八野田 斉子 様
コンテストへの初参加を決めた時にはもう、描きたいテーマが心にありました。世界がどんな状況でも、あらゆる場所に散りばめられているブルー。涼やかに凛として、静かに優しく私を魅了し続けます。様々なシーンと「共にあるブルー」を思い描きながら一枚一枚楽しんで描いたこの作品を、選んでいただきありがとうございました。そしていつも温かく背中を押し、応援して下さる皆様に心から感謝致します。
・・・・・・・・・・・・・・
ソレイユ大賞
★ソレイユ大賞は、皆様の人気投票により決定いたしました。
僕たちが本当に学ぶべき事
半矢 ますみ 様
この度は身に余る賞を頂き有難うございます。ご投票頂いた皆様に心から感謝いたします。
自主成形したモルタル工芸の素材にペイントできたらと、1年前からこの作品の構想を練ってきました。題名の「僕たち」とは立体の白い2匹の鼠の事。彼らは『田舎のねずみと街のねずみ』の絵本から今一番居心地の良い場所の情報を学ぼうとしている所。本と現実世界の違いを示す為あえて彼らは白無地にしました。イソップの原作では、結局街より田舎の方が良い…と終えています。…それは本当でしょうか?街には街の良さも有り、田舎は山を追われ下りてくる外敵や予想外の自然災害も懸念される昨今です。
さて、貴方にとって一番幸せな場所はどこですか?
・・・・・・・・・・・・・・
金賞
A部門
母のリクエスト
宮崎 希理子 様
B部門
スモークタウン
(デザイン: ミッシェル・ウォルトン)
落合 真紀子 様
モダンな物が大好きな母(90歳)はいつも、この真っ黒なお仏壇に入りたくないなぁ…と言っていました。それならトールペイントで描いてみようか?となり、色やデザインの好みをリクエストしてもらい制作しました。コンセプトはリビングに置いても違和感の無いお洒落なお仏壇です。ヒンデローペンのシックな図柄や色合いがぴったりで大喜びしてもらえました。 そしてこのような素晴らしい賞までいただいて更に親孝行になりました。本当に有難うございました。
私の大好きなミッシェル・ウォルトンさんの作品はどれも、落ち着いた色合いの中に温かみが溢れています。今回はそれを忠実に表現することに重点を置きました。古き良き時代のスモークタウンの街並みを歩いている自分を想像しながら…作品の中のどの家に住んでも楽しいだろうな…そんなことを考えながら夢中でペイントした時間は、私にとって最高に幸せでした。
今後も夢や愛がたくさん詰まった作品を描き続けたいと思います。今回の受賞は感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
・・・・・・・・・・・・・・
銀賞
A部門
Memorable Scenery
藤井 恵美子 様
B部門
花嫁の行進
(デザイン: Sigmund arseth)
相澤 喜代美 様
この度は、このような素晴らしい賞を頂きまして大変光栄です。心より感謝申し上げます。数年前、家族旅行で訪れたスイスで見かけ心惹かれたお城と、いつも癒してくれる大好きな花々を描きました。旅行中に見たものや経験したこと全てが、コロナ禍の今となれば、遥か遠い昔のように思える大切な思い出です。また、家族で憂い無く旅行出来る日が早く戻ってくるよう、願いを込めて描きました。
トールペイントと出会って二十数年、その奥深さにいつも魅了され続けています。そして、この度頂いた賞に恥じないよう更に精進しなくては、という思いでおります。これからも、一作品ごとに大切に描いていきたいと思います。誠にありがとうございました。
この度の受賞本当に嬉しく思います。
選んで頂いたことに深く感謝いたします。今回の作品「花嫁の行進」はノルウェーのローズマリングの手法で描きました。花嫁と花婿が馬に乗り教会に向かうところです。昔の長閑な雰囲気を感じて頂ければ嬉しく思います。また回りのストロークの模様を引き立たせる為敢えて人物の部分は単純に描きました。
トールペイントに携わり30年が経ちました。その間一貫して守ってきた事は、アメリカで最初に教えて頂いた先生の言葉です。先生は私にトールペイントとはフォークアート即ち民族のアートです。だからそれぞれのペイントを描く時その国の事をしっかり知った上で描かないと自分よがりの絵になってしまいますと。
まだまだ勉強です。精進してまいります。
・・・・・・・・・・・・・・
ヨーロピアン ペインティング賞
パンチュールの花束
阿部 恵子 様
私が初めてパンチュール・ペイザンヌに出会ったのは、まだ馬喰町にお店があった頃のソレイユさんでした。
当時、幾つかの教室がありましが“お花が描きたい”と思いパンチュールの教室に入会いたしました。丸筆ストロークで描くフォークアートの世界に私は夢中になりました。それからペインティングを通してたくさんの人に出会い、仲間に支えられて今まで楽しく続けることが出来ました。コロナ渦の中コンテストを開催してくださり、そして賞も頂きましてありがとうございました。
これからも初心忘れず楽しみながら描いていきたいと思います。
・・・・・・・・・・・・・・
<後援賞>
一般社団法人 日本ホビー協会
会長賞
Rich life
安斎 久美 様
日本ヴォーグ社
ペイントクラフト賞
ボナペティ(bonappetit)
片岡 佐知子 様
この度は、ありがとうございました。
コロナ禍でのコンテスト、作品展開催と創作、発表の場を作ってくださったことに感謝申し上げます。
私の思い描く豊かな暮らしを野ねずみの一家に例えて表現しました。生活を彩る手作りにあふれた幸せRichlifeです。
この受賞を励みに、これからも描く人も見る人も笑顔をなってくれる作品作りに精進いたします。
トールペインティングと
同じくらい大好きなお料理「ボナペティ!」と大切な人達とお食事を楽しむ時間が戻って来る事を信じて調味料入れをバックにスープからお茶までのコース料理をイメージして描きました。回転皿を意識してもう少しリズミカルなデザインが出来たらと悔いが残りますが、失敗もまた、次回作の課題にとワクワクしてまいります。
大好きな「ペイントクラフト」の賞を頂き大変嬉しく思います。
ありがとうございました。
ホルベイン画材社賞
How tall am I ?
山本 史穂 様
デコアート社賞
Welcome home
(THOMAS KINKADE)
木村 豊子 様
ペイントを楽しむ気持ちを込めて描いた作品です。素朴な植物、愛らしい動物、四季の流れ、想い出の品は何よりのモチーフです。
思いがけない場所で出会うペイント作品は、ホッと心を和ませ心にぬくもりを感じさせる力を持っています。ペイントのプレゼントは描く方の優しさと愛情を届け、受け取る方の大きな喜びとなる事をいつも感じます。
この度はコンテストに参加させて頂けた事と共に、皆様に見て頂く機会と場所を与えて下さったサン-ケイ様に深く感謝いたします。
コロナ渦でおうち時間が増えた私を癒してくれたのは、長年続けてきたトールペイントでした。今回の絵は大好きな画集の中の風景画を参考にしました。深呼吸をしたくなるような澄んだ森の景色の中に、暖かい家族・歓喜する動物達・咲き誇る草花、それぞれの息づかいを感じながら穏やかな気持ちで描きました。『デコアート社賞』を頂戴し大変嬉しく思います。自分の気持ちを表現できるトールペイントを、これからも楽しく続けていきたいと思います。
白光社賞
木靴屋さん
「Tresko butikk」
松岡 弘子 様
クロマ社賞
陽だまり
丸山 豊子 様
白光社賞を受賞させて頂きまして有難く受けとめてます。この作品は、コロナ渦の断捨離中に我が家のわんこが木靴をくわえてきたのが制作のスタートです。ナッツクラッカーも木靴も白木のまま眠ってました。以前から大好きなRosemalingで描こうと考えてましたので、楽しみながら描けました。
後々の有効活用の為、木靴の裏にマグネットを貼り、壁の側面にも磁石を埋め込みました。
木靴の飾り方を変えたり、単独でマグネットとして使えます。今、クリスマスツリーのオーナメントに使用中。
日々、描ける環境、受賞できたことに心から感謝してます。ありがとうございました。
クロマ社賞を頂き、大変嬉しく思っております。
また、素敵な賞状に感激しております。30年ほど前に一筆で描いたバラをテレビで見たのがトールペイントを始めるきっかけとなりました。教室に通うようになって色々なジャンルまたはスタイルがある事を知り、ますますトールペイントにのめり込む事になり、夢中でやってまいりました。多くの知識やテクニックを指導して下さった先生方に本当に感謝しております。継続は力なりで、オリジナルデザインも起こせるようになりました。そして、今回はコロナ禍で食事会や旅行もままならない中、ふと見たドローンの映像、そこには山あいの村が映っており、人々の営みが感じられる温かみのある風景でした。それが今回の作品のテーマとなりました。この作品を見て、少しでも温かい気持ちになって頂けたらと思っております。
ブティック社
ペイントフレンド賞
チッペンデールマントル時計
中村 さとみ 様
プラッド社賞
FAIRY TALES
(デザイン: 古屋加江子)
櫛毛 由紀 様
「ブティック社ペイントフレンド賞」を私の「チッペンデールマントル時計」が受賞いたしました。たいへん嬉しいです。
会場のセントラルミュージアム銀座へ最終日に伺うことができました。
オランダのトールペイント「アッセンデルフト」に魅せられ、オランダのアッセンデルフター、シルビア先生のもとに通いディプロマを日本人で初めていただき、マルチローディングのエニッドホッシンガー先生からフォークアートの学びを深めました。
4年前の憧れのジョソーニアスタジオを訪問時に購入したチッペンデールマントル時計に描きました。これからもトールペイントを楽しく広げていきます。
2019年のトールペイントコレクション展で憧れの古屋加江子先生の作品を間近で拝見致しました時にこの「FAIRY TALES」を目に焼きつけました。古屋先生はたくさんの色を混色されるのでその中のどの色が強調されるかで全く違った作品になってしまいます。記憶をもとにどれだけ近づけられるか考えました。実物はもう少しアンニュイな感じだったかなと思いますがそれよりも明るめに仕上げました。また古屋先生の人物は皆お顔が可愛らしいのですが先生のさりげないタッチは難しくて本当に大変でした。この度はこの作品を完成させただけでも満足でしたのにさらにプラッド社賞まで頂戴できましたことは本当に幸運でした。
受賞者の皆様、おめでとうございます!
また、ご応募くださった皆様もありがとうございました。
展覧会に関するお問い合わせはこちらから↓
コンテスト展及びトールペイントに関する情報は、銀座ソレイユインスタグラム・Facebookに随時投稿して参ります。ぜひフォローをお願い致します。