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バウエルンマーレライ(Bauernmarlerei)はヨーロッパのフォークアートで、16〜19世紀前半にかけて、スイス・ドイツ・オーストリアなどのドイツ語圏で発展しました。

ドイツ語でバウエルンは「農民・田舎風」マーレライは「絵付け」を意味します。

16〜17世紀頃、農民たちは彫刻が施された高価な家具を使った上流生活に憧れ、家具職人が農民の家具を作り絵付けをしたのが始まりだといわれています。

ルネサンス・バロック(17世紀)からビーダーマイヤー(19世紀前半)にかけてバウエルンマーレライは最高潮に達し、ヨーロッパだけでなく、アメリカや世界各国に広まっていき、現在に至っています。

丸筆を使った一筆描きが特徴で、ブーケ状にしたバラ、チューリップ、ユリなどの花や、かごに盛られた果物などのモチーフを、流れるような優雅さで描いていきます。年代により、以下の4つの技法に分類されます。

バウエルンマーレライ 4つの技法

1. インターヅィエン マーレライ(Intersien malerei)

16〜17世紀/直接木に描く技法で、ルネッサンス時代の上流階級の間で流行っていた象嵌細(インターヅィエン マーレライ)を模倣したもの。

2. ルネッサンス マーレライ(Renaissance malerei)

1700〜1780年頃/ルネッサンス様式の影響を受け、初期は黒で描かれた左右対称のシンプルなデザインでしたが、18世紀前半よりバロック様式の影響を受け、左右対称の花や鳥、果物などのモチーフが大きく描かれるようになりました。

3. ロココ マーレライ(Rococo malerei)

1760〜19世紀初め/ナポレオン文化や古典主義の影響、ロココ様式が加わり、色彩が明るく繊細になりました。デザインはS型C型など非対称なものや、渦巻きや大理石模様が多く取り入れられ、モチーフも貴族や聖者、狩人、風景など多種多様になっていきました。

4. ビーダーマイヤー マーレライ(Biedermaeier malerei)

1800年〜19世紀中頃/ルネッサンスではモチーフを大きく描きましたが、ビーダーマイヤーでは古典主義の影響を受けて、花は小さめで写実的に描かれました。楕円の枠に花束などが描かれている模様が一般的に知られています。

ソニア・ウーシュレーガー(Sonja Wullschleger)

スイス在住のソニア・ウーシュレーガーは、50年以上伝統工芸の研究に携わり、また30年以上前に開講した教室で、バウエルンマーレライを指導している。1994年に弊社ソレイユフォークアート アカデミーでセミナーを行い、たくさんの日本人ペインターを魅了しました。

バウエルンマーレライを学べる講師